蝶の道行。
 
 
 
■ どうも薄い風邪が身体に入ったようで頭が痛い。
 身体という字はトルソという形が好きなのだが、出てこないので気に入らないという。
 不機嫌ですな。
 
 
 
■ 不機嫌なときは義太夫に限る。
 ということで、「蝶の道行」を流していた。
 三味線の音というのは、ヘッドホンや深夜の車の中で、比較的大きな音で聴かないとその間合いのようなものが伝わらないものだが、中学生ではないのでヘッドホンを被るのも抵抗がある。
 車だって加速すれば煩いし、だったら静かなLの字の大きな奴にすればいいし、運転するのもメンドクサイし、要は頭が痛いものだから全てが面白くないのである。
 卓袱台ひっくり返すみたいなものか。
 
 
 
■ 薄汚い居酒屋で、斜めに構えてちびちび酒を嘗めたいような気もするのだが、黒の着流しである。