白南風 2.
 
 
 
■ 三回鳴らされた時だろうか。
 私は窓を開け、うるさいなと声をあげた。
 シート・ベルトは外していない。そのつもりはないからである。
 斜めにマフラーを上げたスクータの彼は、脇をすり抜け、何かを口にし、ATで加速していく。
 
 
 
■ 地下の駐車場に車を入れる。
 誘導する係員がいる。
 夏の暑さはどんなものなのか、また冬の寒さも。