薄い四月。
 
 
 
■ 桜の色が濃くなっている。
 散りかけているにもかかわらず。
 緋毛氈のかかった華の縁台との対比がいかにもというところで、日本人はこの色が好きだ。
 
 
 
■ 随分と昔、以前の仕事場の床の絨毯を赤くしようかと思ったことがあった。
 内装工事の親方に、やめといたほうがいいです、川崎のなんとかの待合室みたいですぜ、と言われたことがある。
 もっともなお話であった。