ともあれ。
 
 
 
■ 応対が杓子定規でもいけないが、20代の半ばを過ぎてこれからどうしようという気配が漂っているのも人の世である。
 昔、白粉には鉛が入っていた。
 襟あたりまで筆で塗る。
 笑うと罅が入ったりもするのだが、改装前の京都南座辺りでは照明がまだ薄暗かったのである。