裾さばき。
 
 
 
■ 廻りを見渡すと、年配の方が多かった。
 平日の午後であるから、それはそうなのである。
 中に何人か、見事な着こなしの着物姿の妙齢本格派がおられ、眺めていると粋筋というより舞踊の方面、そのお師匠さんであるかのようにも思われた。
 玄人さんというのは草履の運びが違っている。捌きである。
 
 
 
■ 私はデパートの紙袋を持って漠然と立っていた。
 中にお煎餅が入っている。これをなんとかしなければと、見知った俳優さんを探していた。