なかば金色の日。
■ 高いところから庭をちらりと眺めた。
紅葉が盛りで、日の光も明るい。
屋上にあった和式庭園は修復され、そこに人影はない。
■ あいつ、人嫌いになったんじゃないか。
友人が共通の友人を評してそんなことを言っていた。
子供のこととか色々あるから、仕方ないんじゃないか。
永いよな。
永い。
私たちは海沿いの高台に新型のメルセデスを停め、缶のコーヒーを飲んでいた。
この色売れないから、買ってくれって頼まれてな。
おまえ、国産に限るって言ってなかったっけ。
言ってたかもしんねえ。
■ 男ふたりで走るのは馬鹿のようである。
どこかで茶を飲むか、と入ったところ全てが禁煙で、それは正しいご時勢でもある。