戦時標準船 3.
 
 
 
■ ただ、ギリギリまでと言いますか、誰がみても無駄なことを延々と繰り返したことのない男というのは、どちらかと言えば鬱陶しい。
 おまえ、そこに拘るより前にやることあんだろ。
 と、怒鳴りつけたくもなるのだが、こちらも昔はそうだったのだからひとのことは言えない。
 
 
 
■ 極論ではあるけれども、やっぱり無駄の総体なのである。
 自分はそこそこのものはできるが、それ以上にいかないと口にする彼がいて、ふうんこれがそこそこのものなのか、と白けてしまったことがある。