3/4.
 
 
 
■ 私は「ほんま・りう」さんの作品が好きである。
 麻雀劇画の傑作に「3/4」というものがあり、これはほんまさんの半ば自叙伝ではないかという気がしていた。
 
 
 
■ 麻雀劇画というのはいわゆる列の外のお話であって、ヤクザではない、かといって堅気でもない微妙な境界線上に成り立つものである。
 その世界の古典と言えば阿佐田哲也さんの「麻雀放浪記」ではあるのだけれども、元々は育ちのいいボンが一時そういった世界に顔を出す。
 親を泣かせ女を泣かせ。また泣かされて、なにか向こう岸にあるのではないかという幻を追う。その過程で人間的にも成長していく、という粗筋が軸になっている。
 
 
 
■ 文学や文芸の世界では、あるいは広く表現の世界では、こうしたものを教養小説とかロマンとか呼んでいる。
 一時不良になることもまた修行の一環なのである。