人生は列の外。
■ 夏バテである。
「からだがだるく仕事がしたくない。
若かった頃の日々はもうかえってこない」
■ と書かれたのは、「日の移ろい」の島尾さんだった。
緑坂には94年だったかの頃、使わせていただいた覚えがある。
当時、今にして思えばまだ若造だった私は、その台詞を間に受けていた。
腹筋割れているのをみせびらかす、元は虚弱な少年や、二の腕と体脂肪を自慢する中高年みたいな精神構造といえばお分かりだろうか。
ところが、糞爺と呼ばれてもおかしくはない年代に差し掛かると、島尾さんのその作品が言葉の上っつらだけでは割り切れないものであることに気がつく。
頭踏んでも死なないという言い方があるが、しぶとさの質について考えるようになる。