指をくわえて。
 
 
 
■ なかず飛ばずの時期というのは誰にもある。
「男たちの挽歌」の一作目で、主人公のマークは怪我をし落ちぶれる。
 地下駐車場の番人のようなものになっている。
 囲われたようなところで寝泊りし、弁当を食い、かつての弟分から某かのものをめぐんでもらう。
 つまり、飼い殺しである。
 こうした描写が下地にあって、ラストの火薬と悲劇性がカタルシスを呼ぶ訳だが、ここで注意しなければならない。
 例えば掃除をしている人に、自分はどういう視線を持っているだろう。