貧乏な貴族趣味。
 
 
 
■ というものがもしあったとして、なかなか身につまされるお話である。
 生田耕作さんが、ダンディズムの始祖と呼ばれたボー・ブランメルの伝記を書かれているが、これはなかなかコクのあるもので、いわゆる二枚目俳優の果てというか。
 計算された範囲での毒舌は許されるが、自らの容貌や力が衰えた際の間合いを間違うと手痛いしっぺ返しをくらうことになる、といった按配でもあった。