木村伊兵衛の「秋田」2.
 
 
 
■ ライカでの35ミリほとんど1本で、使えるものがワンカット。
 ま、そんなものだろう。
 しかし、それが代表作として残るのであって、実をいうとどの表現の世界も同じことだろうという気がする。 
 
 
 
■ 木村さんが写真につけたキャプションや解説は、その製作過程を眺めていると半ば虚構が混じっていた。数冊の本を引っ張り出してみるとそれは分かる。
 モデルを使ったものだと、初版の「秋田」では直裁に触れられていない。
 また、板塀に馬の尻尾が1/3程被さった高名なスナップそれ自体にも、いくつもの習作が残っている。