セリエA 2.
 
 
 
■ 外は外苑西通りの金色の銀杏である。
 ガラス越しにそれがみえる。
 私はウールのマフラーを巻いて、もう20年も経っているセーターを着ていた。
 当時はバブルで、その分保っているところがなんとなく良いものである。
 昨今全てのものが消費財になっているものだから。
 
 
 
■ 同年輩の男たちが入ってきて、隣のテーブルに座る。
 大手出版社の漫画雑誌の編集者であるらしい。