後期近代のめまい。
 
 
 
■ ジョック・ヤングの同著では「眩暈」と漢字が使われている。
 内容からしてその方が相応しい。訳者の方の選択は正しいと考える。 
 
 
 
■ ヤングはブルックリンに3年住んだ。
 それでも尚、ここで自分は旅人なのだと書いていた。
 多くの引用を駆使し、母国英国のニューレイバー政策を分析批判しながらアメリカの社会構造の断片を切り取る。
 断片の積み重ねがリアリティを産むのだが、こうした手法というのは写真の世界や短文、それが商業的に昇華された場合には「コピー」になることもある。
 昇華というのは、必ずしも上位にあるということを意味してはいないのだけれども。