その後の葉子 3.
 
 
 
■ 葉子はその食事がいくらだったかと言わない。
 ワインがどうしたこうしたも言わない。
 店の名前も口にせず、ただ黙って飲んだり食べたりしているだけである。
 酒や食材について、詳しいのであるけれども、それが一方での日常だとすればわざわざ口にすることもないのである。
 
 
 
■ 普通に買えておいしいもの。
 手間をかけて煮込んだりしたもの。
 たまに鍋でお米を炊き、パンの時には粉を嘗める。