霧深き日 4.
■ こうした夜、すこし古いフランス車に乗りたく思う。
チューンされたそれではなく、素の、けれどもまだシートが擦り切れず、エアコンも微妙に効いてくれる程度の、好みからすればシトロエンのちょっと大きな奴か、それとも80年代後半、四角いライトのサンクあたりがいい。
黄色いシビエは今の車では使えないのだが、確か当時のそれにつけていても問題はなかったはずだ。
■ 横横を南下し、横須賀辺りの海辺近くで漠然とする。
旨い店もあるというが、時間帯か貧乏症か、食べることよりも流すことが先になり、夜だから廻りは見えないでいる。
■ 歯ブラシとパンと。
2リットル辺りのぬるい水と。
いずれ濃い目のコーヒーが飲みたくなるのである。