北へ帰る豚の群れは誰も無口で。
■ 煮詰まるとこのフレーズが出てくるのが緑坂だが、ま、そこは流れで。
私は恐山に撮影にいった際、遠野のことはあまり考えなかった。
何故なのかよくわからないでいる。
広告に遠く浅く携わっている人間のカンというか、写真家のそれか、恐らくは自分の絵にならないだろうと思ったのである。
絵というのは何か。
写真というものはあっという間に消費されるものだけれども、例外的に残るようなものもあって、かといって残ったからどうだという気分もない訳でもない。