アフォリズム。
 
 
 
■ 10代の頃か。漱石や芥川というのはある種一般教養だった。
 そこに小林秀雄が加わったりもしたのだが、ご多分にもれず私もアフォリズムを覚えようと試みた。
 今にして思えば恥ずかしい過去ではあるのだが、つまりは背伸びである。
 
 
 
■ 修行をつむというか、ムゴーイ目に何度かあってみると、人生はそう簡単なものではないということが分かってくる。
 ニーチェもショーペン・ハウエルも、ま、いいんだけどさ。
 まずは飯と風呂だろう。家族がいれば、家族。
 先の芥川の一文は、いかにもという修辞に彩られてはいるが、ただそれだけということで、こちらの胸には落ちない。