海鳴りききながら。
 
 
 
■ 冬である。
 それにしても、まだ僅かに枯葉が残る枝もある。
 私は東京を離れ、野暮というか仕事をしていた。
 最近身体がきつい時には、ためらうことなくグリーンに乗るようになった。
 これでとんかつの上喰えるなぁ、とか思いながらである。
 
 
 
■ 所用を終え、車を拾い、どうということもない宿に泊まる。
 味気ないものだが、この街ではここはモダンな方なのだ。
 夕刻少し歩くと、どの通りもシャッターが降りていて、しばらく開けた形跡がない。