12月の花束 2.
■ 最近ロマンチックな気分にならない。
ほのぼの、だったり、やさぐれ、だったりはする。
吉行さんは52歳で白内障の手術をされていた。「人工水晶体」という作品があって、時々読み返す。老けるにはやや早いような気もするのだが、消耗の時期が若い頃からあったのだと考えれば分かったような気にもなる。
時代というものも無視できない。
■ 大岡さんの「花影」にはモデルがいるのだと言われている。
葉子である。そうした本も出ているというが、私は敬して遠ざけてきた。
業界の内部事情ではないけれども、実態を知るとつまらないところもある。