北へ帰る豚の群れは誰も無口で 3.
 
 
 
■ 緑坂は難解だとイワレル。
 後から読み返し、成程そうであったのかと思い至ることがあるのだと、甘木23号君が言っていた。
 それは買い被りでしょう。
 本人はあまり考えていない。
 
 
 
■ 写真はお茶の世界に似ている。
 と、奈良原さんが言われている。
 私も尊敬する写真の世界の大家である。
 けれども、奈良原さんの作品は50年代末に美術界で流行ったシュールリアリズムにも似ているものがいくつもあり、例えばこれを当時の銀座で公開すれば伝説になるだろうという気もしないでもない。
 例えば裕次郎の「銀座の恋の物語」は、今もあるデパートや銀座界隈が舞台になっているが、部屋をシェアするジェリー藤尾さんの仕事はJAZZメンである。