丸眼のマトラ 2.
 
 
 
■ 坂道を、黄色いシビエが下ってくる。
 私はスタッフに頼み忘れた郵便を出しに、とぼとぼ歩いているところだった。
 このあいだまで半袖だったのに、3900で買った長袖シャツでは寒い。
 捲くっていた袖をおろす。
 
 
 
■ 黄色のシビエといえば、仏車である。
 A110がそうそう走っている訳でもないので、眼で追うと三角定規のようなマトラ。
 あの音はデビルだろうか。