津軽じょんから節 2.
 
 
 
■ じょんがらには旧節も新節もあって、音が大きく響くよう三味には犬の皮を使ったとされる。
 確か五所川原の先だろうか。
 津軽三味線会館というものがあり、私は少しばかり気になっていた。
 時間に余裕があれば立ち寄ったのだが、そうなるとこの辺で一泊しなければならない。 
 
 
■ ガソリンを詰め、そこで始めて津軽弁を聞くことになる。
 インターから近いそこでは、30になっただろうソバカスの多い妙齢が、お客さん東京からきたんですかと、フランス語のようなイントネーションで私に尋ねた。
 車のフロントとエアダムには無数の虫がこびりついていたが、彼女はタオルで拭い、また汚れますからねとやや長い顔で笑った。