短めの泪。
 
 
 
■ 港の街のごく普通のホテルにいた。
 戻ろうと思えば戻れたのだが、億劫だった。
 近場で簡単な中華を食べ、コンビニで下着と歯ブラシと、ポケット瓶のウィスキィを買った。
 いつだったか歯医者でメンテしてもらった時、一番奥が磨かれていないと、すこし目線の傾いだ妙齢に言われる。