水の底で 4.
 
 
 
■ 私は小型車に乗ってきていた。
 なんのせいか、といえば流れである。
 セカンドに落として峠を昇るのだが、時々横っ飛びして倒した後部シートの辺りがごとごと言う。
 何時オイルを換えたか忘れたが、その時ディーラーにWAKO'Sが置いてあって、少ししか入らないからこれでいいだろうと選んだ覚えがある。その時はカメラバックを積んでいて、チーフだと思われる方が傍へ寄り、暫くその話になった。
 
 
 
■ 小型車で床まで踏むのは楽しい。
 三人乗って坂道にさしかかり、エアコンが入っていると40まで下がる。
 罵りながら窓を開け、コンプレッサーを切ったりして無駄なことをする。
 それでいて平坦では170まで出たりするのだから充分以上で、強いて言えば下りのブレーキだろうか。
 と、適合するパッドを捜したりすると何時もの脇道である。