水の底で 3.
 
 
 
■ 誰かが亡くなるとかそうでもないとか。
 そうしたことを書くのはどこか品がないような気がしている。
 私は「花影」という大岡さんの作品が好きで、緑坂に何度も書いた。
 この作品にはモデルがあるのだが、それを知ったり書いたりしても仕方ないだろうという気になっている。
 表現には一定の節度のようなものがあって、これをやればこう流れると思いながらそうしない。