柘榴 3.
 
 
 
■ なんとなく嫌になったので、いつもの坂道を昇った。
 どちらからいきましょうか、と聞かれたのだが、あそこの裏手と答えた。
 歩いてもいい距離なのだが、この辺りの傾きがわからない。
 
 
 
■ 入り口からひとつ開けた血膿色のスツールに座る。
 なんとなく定位置になっていて、ショルダーをそこにかけ、それから葉巻が並んでいる部屋というかなんというかに入る。