水辺夜桜単衣。
■ 清少納言は、絵にかき劣りするもののひとつに桜をあげている。
これは全くその通りだと思う。
桜の写実絵、または写真というのはかなり難しい。
定番の銘木と言われるものの前に並んでも、いつか誰かが撮ったようなものになって、その先に落ちていかないことが多いような気がしている。
桜の花弁ひとつひとつは小さく可憐である。それが無数に群生して全体としての豪奢に繋がっている。それを視覚的にどう表現するかと言えば、幾重にもフィルターをかけ別のものに昇華してしまう。