月光 2.
 
 
 
■ ほぼ一月が経って修理完了との知らせがくる。
 つまり他にカメラを持っていなければその間は撮影できない訳だが、大体ライカというカメラ自体が半ば実用品ではないのだから、それはそれ。
 かつて極めて取り回しのいい道具だった時代もあったが、それも伝説の中のお話になっている。
 
 
 
■ 白衣を着た男性から修理したボディを受け取る。
 夕方だったもので、車を停めるスペースがなく、ハザードをつけて店の前に置いた。
 ちらちら、そちらの方が気になるのである。