アルピナB10 ビ・ターボ。
 
 
 
■ ポール・フレールというモーター・ジャーナリストの大先達がおられる。
 ルマン24時間レースで入賞した経験もあり、最良のアマチュア・レーシングドライバーを経てジャーナリストへ転進された。
 その分野ではほとんど第一号であると言われる。
 ベルギー人。
 ヨーロッパにおけるこの辺りのスタンスがとても面白いとは思うのだが、それはさておき、血気盛んな頃のPFは結構飛ばしていた。
 記憶に残るのは、メルセデスの300に6.3のエンジンをぶち込んだもの。
 そのスクワットした発進加速の写真と、テストレポートである。
 今そのCGが手元にないので引用はできないのだが、70年代に小僧っ子だった世代にとっては、911やフェラリをカモれる唯一のセダンとして記憶に残った。
 五木寛之さんの「奔れ逆ハン愚連隊」という軽い小説にも、その6.3は活き活きと登場してくる。
 また、西風氏の漫画「GTroman」では沼津の若いヤクザが乗る車として出てきて、当時の新型メルセデスとバトルをするのである。