トラブルバスター 3.
■ 一時事務所があったところは、もともと隣が小さなホテルだった。
向かいに、とある国の税金を投入されている楽団があって、よく打ち合わせに使われていた。エントランスに仏車とか古いアルファとか、趣味のいい車が何台も停まっていたことを覚えている。
坂道を、オーディションに通うのだろう、妙齢中ほどが背丈ほどもあるチェロのケースを背負って歩いているのを何度かみかけた。
■ しばらくして、そのホテルが閉業する。
都会の隠れ家のようで私は好きだったのだが、客室を潰し個室のレストランにしたのが裏目に出たのだと素人目には思えた。
■ 数年後、その跡地に新興宗教の建物が建っている。
なかなか立派なもので、夜目にも金色に光るのだった。
反対運動もあったらしいが、その時には周辺のビルやマンションに関係する方々が住んでいて、そうもいかなくなっていたらしい。