花の雨 2.
 
 
 
■ 二輪ばかりの桜の房を探した。
 上着のポケットに確か入っていたはずだが。
 別れ際にいただいた名刺とともに、すこし乾いたそれが出てくる。
 
 
 
■ 指先で伸ばして、器に入れてみる。
 なんだか毎年そんなことをしているようで、冷酒の酔いは後からきく。