なにを言問う。
■ 言問通り。
東京には「言問橋」という名の橋がある。
まだ歩いて渡ったことがない。
今頃渡れば、多分風邪がぶり返していくのは確実だが、要は土地勘、馴染みがないからなのだろう。
■ 上村一夫さんという漫画家がおられた。
同棲時代とか、修羅雪姫などで名がしられている。
小品に見るべきものがあって、神楽坂あたりに棲息する「帯師」の話であるとか、巣鴨ガスタンク裏のゲイ・バーのマスターが主人公の探偵物なども繰り返し読んだ。
■ 読んだからどうだという訳でもないのだが。
では言問の辺りから上りに至って、路線に並ぶ赤提灯で飲もうかとか、近場のドヤに暫く泊まってみようかと考えたことはない。
それをしてはいかんのではないかという気がする。
自分は通り過ぎる立場なのだから、生活はここにないのだから、舞台裏を覗いてそれがどうなるのかと思うのである。