月島、銀座裏 2.
 
 
 
■ 荷風が描いた花柳界というのは、実は枕芸者の世界も随分と含まれていて、時々読み返すと結構なコクがある。
 時折すえたような匂いすらするから不思議なものだった。
 白粉と包丁の鉄の味が混ざる。
 
 
 
■ ここから大岡さんや山口瞳さん、または川端さんの作品に流れていってもいいのだが、二日酔いの後薄い風邪を引いたのでやめにする。
 日本酒の冷を調子にのってやっていると、翌日夕方くらいまで使い物にならなく、それでいてやらなければならない仕事が待っていたりもするのである。