五 あやとり
■ 午後になって事務所を抜け出し、近くの図書館にいった。
調べようにもとりとめがなく、どう繋がっているのかわからない。
六本木の放送局、報道にいる友人に電話をした。
「革命だって、なに寝ぼけてんだよ」
奴は千葉に家を持っている。新しいドイツ車で駅まで女房に送らせる。
昔、万年筆の宣伝で名をはせた眼鏡の男が、暫く前迄レギュラー番組を持っていた。
有名人が沢山出てきて、大人の漫画も放映されている。
ゴルバチョフが監禁された旧ソ連のクーデターの際、モスクワにいた駐在員がくたびれたワイシャツに同じネクタイで報告をしていた。
眼鏡の男がそれを揶揄する。
テレビマンとしては失格だと番組の中で言う。
若い駐在員は、明らかに不満な顔をしながら黙っていたことを思いだした。