月夜の汐路。
 
 
 
■ 短い間に2000キロ程走った。
 所用あって出かけたのが一度。後は首都圏の深夜が主である。
 ETCの請求が怖いが、ま、それはそれとして、短期間に負荷をかけ、悪いところを全部出してしまうのがこうした場合のセオリーになっている。
 実際、ヘッドライトワイパーがひとつ動作しなくなってクレームで治すことになった。近いところ、麻布界隈の工場を紹介してもらう。
 あの辺りは昔から町工場が多く、麻布十番などに対する世間のイメージとはすこし逸れてもいる。坂道の上には屋敷があり、その下側には商店などが広がっているというのが、昔からの東京界隈の風情だった。
 横浜なども同じだ。山手から下ってゆく坂道の途中に、FOR RENT と看板が出ている洋館があって、少しだけ気になって一年になる。