新月と二月尽。
 
 
 
■ 短い旅のようなものを続けていて、昨日戻ってきた。
 身体は泥でできたように重くなっている。
 ぎしぎしと背中も鳴る。
 途中約束していた会に出席できず、担当者にお詫びの電話を入れた。
 数日、使い物になりそうにないのだが、〆切はすぐ傍にあったりする。
 
 
 
■ 緑坂というのは私生活を書く日記ではないので、背後でどのようなことがあったとしても直接の形で記することはしない。
 例えばひとの生き死にとか病とか、いわゆる文士と呼ばれていた方々はかなりの頻度でテーマにしてきたが、それはこの国にとって家族というものが近代化への過程の中で大きな問題だったからでもあった。
 極めて狭い範囲での私小説が、公共性を持っていた時代もあったのだと思っている。
 今はどうかというと、ここで仔細に分析するまでもない。
 ここからあちこちに論が分かれるのだが、この辺りでやめておく。
 
 
 
■ いずれにしても季節は廻って、街角に花の姿を見るようになっている。
 花を眺めながら、思うこともあるのだが、そうした時に浮かんだ言葉が本当かどうかは時間が経たないと分からないところもある。