実務について。
 
 
 
 
■ 緑坂ばかりを読んでいると、いけない大人になるのだと10数年前に言われた。
「人生ブラザーズ」とかいう言い方もあって、これは当時学生だった甘木君のことであるという。
 彼は日本で一番長いという商店街の傍に住んでいたが、電子的に会話している最中に不意に腹が減り、自転車で近くにあるファミレスに出かけるのが常だった。
 三回に二回は職質にあう。
 誰もが問い正したい、深夜の後姿であろうか。
 
 
 
■ 青春とは愚かなものであるが、30を過ぎ、40の声を聞いても基本になるところは変わらない。
 変わるのは外側だけであって、例えば商業文の書き方が旨くなる。
 ハアハアナルホド、サヨデッカ。
 など、相槌が打てるようにもなってゆく。
 直球を投げる程若くもないし、この試合だけに全力を使い果たす訳にはゆかない。
 いわゆる夜の厄介でのペース配分にも似たような社会生活を営むことになってゆく。
 手抜きという声もあるが、人生は楽ありゃ苦もあるんではなかろうか。