まあ考えてごらんなさいませ。
■ 当時の蔵相・井上準之助は全国に遊説行脚を行う。
家庭の主婦向けに、「まあ、考えてごらんなさいませ」「‥じゃございませんか」などのソフトムードで国民とその台所に訴えたという。
■ ところで「ソウヨ ダンゼン」というような言い方は何処かで聞いたことがある。
昭和30年代の日活映画、裕次郎の相手役がよく使っていたような記憶があった。
石坂洋次郎の純文学路線のそれである。
「断然」をカタカナで口にする。口にした時は漢字であるかカタカナであるか、はっきりしないのであるが、この場合には当然後者であろうかと思われる。
何故なら、西条八十の作詞もそうなっていたからだ。すこし力んで言う。
昭和4年と言えば、大正デモクラシーの名残もあり、また巷にはエログロ・ナンセンスの風潮も次第に蔓延していた頃合である。
「なーにがなんだか ワッカラナイノヨ」
これは、後年クレイジー・キャッツが替え歌で歌ったものだが、元唄はこの頃であった。元週刊朝日の編集長、扇谷さんが就職試験の後、この歌を歌って帰ったという記載をご本人の随筆で読んだ覚えがある。