ゆるやかに傾く。
 
 
 
 
■ 実は私もいい歳になったので、それほどのことでは驚かなくなっている。
 昨日夜半、仕事をしながら薄く窓を開けていると、六発の銃声のようなものが聴こえた。高いその音ではなく、消音器を付けた38口径程のものである。
 もしかすると、青い外ナンバーの方々があれこれあったのかも知れず、暫く放っておくとサイレンの音はしない。
 屋上にある日本庭園にも人影はなかった。
 
 
 
■ そこは流れで、次ゆこう。
 というのが緑坂のひとつのテーゼである。
 消音器と思ったものは、金属バットを壁に数回殴りつけたものかも知れず、銃声との判別はなかなかつかないでいる。
 小さな地震のようなものがトレーラの爆発であったりしたことも、数年前にはあった。