続、風の吹く町 3.
 
 
 
■ 続、夕陽のガンマン。
 みたいな感じになってきたのでそろそろやめにする。
 例えばイーストウッドとレオン・ラッセルというのは、個人的には裏と表のような存在で、ただ見渡す限りのとうもろこし畑と地平線が風土だったのだろうと思う。
 和辻哲郎に「風土」という名著があったと記憶しているが、全てを読んだのは18歳の時で、その頃は一切理解できなかった。
 いい歳になったから分かるかと、何度か買いなおしているが、日々の厄介に追われ、ぱらぱらとしか読み返せないでいる。
「風土」にファンタジーの要素を加味すると「遠野物語」(柳田国男)になり、理性的な要素を入れたかにみえて情緒的なのが「大和古事風物詩」(亀井勝一郎)だと、いい加減なことを言って酒場でクダを巻く。ホンキにしないように。
 
 
 
■ ただ、日本文化がどうしたこうしたという時に、リトマスのように避けて通れないものが、いわゆる「日本浪漫派」の方々で、例えば伊藤静男の詩の数々は、青年期の私には分かりやすい角度であったのだが、分かりやすいが故にそちらに向かえば楽だったのだなと思い出したりもしている。