続、風の吹く町 2.
 
 
 
■ 奥まったところにホテルがあり、ロビー横にはビリヤードが置いてあった。
 ついこないだまでの、横浜バンド・ホテルに暫く似ている。
 仕方ないじゃないか、植民地だったんだから。
 私は、不思議そうにしている連れに言った。
 
 
 
■ ヨコスカ好きだって言っていたけど 外人相手じゃ
 という歌詞を、阿木曜子さんが書いている。
 港にはヨーコという名前が似合って、それはまるで「開け開けチューリップ」という歌か映画に出てくる低血圧の性格のいい狐にも似ていた。
 仕方ないわね、こっちにいらっしゃい。
 と、手ほどきをしてくれる。
 彼女が案外に薄い胸だということを知るのは、彼が場数を踏んでからだ。