今でなければとおもうさもしさ。
■ 自分を笑えない30男以降を、私はあまり信用しないことにしている。
わたしはなにをシテイルンダロウ。
バカジャナイダロウカ。
そういったものが、普通に暮らしていれば行間から滲んでくる筈なのだが、案外そうではなくて、天下国家を論じてみたり憤ったりしている。
こっちおいで、と保守政党に呼ばれたりすると、大喜びではせ参じたりもする訳だが、こういうのを客観的には懐柔工作、ないしは「取り込まれている」というのです。
■ その件で、甘木君と酒嘗めながら話していると、彼はこういう。
「とっても急いでいるんですよ、今しかないとかおもって」
ふむふむ。
バスに乗り遅れるな、ということかね。
「それ、なんすか」
■ 簡単に言うと、今の30代前半の一部は、とても焦っているのではないかということであった。
毎日がコンビニで生きているのだとして、携帯がパソコンよりも重宝するものだとして。分からないことがあればすぐにネットで検索し、それが世の全てだと思ったりする。 二極分化が着々と進むこの社会で、どこに自らを位置づければいいのかを懸命に模索しているかのように見える。
つまりは転職問題である。
知ってか知らずか、その一部がネットの言説に投影されてゆく。