日の移ろい 2.
■ 明け方、のろのろと仕事を続けようとWSの電源を入れる。
各HDDのチェックディスクが済むまで、壊れかけたソファで漠然としていた。
バチンという音がして、落雷だろうかと驚くと、EIZOのCRTモニターがお亡くなりになっていた。
暫く前から時々様子がおかしかったのだが、〆切に追われそれどこではないよ、とウソぶいているとロクなことはない。
これでは仕事にならないので、代替を捜しにネットで彷徨う。
22インチCRTモニター最後の一台を有楽町に買いにゆく。
CRTは昨年04年秋で生産中止なのである。
■ 同程度の性能の液晶モニターを買うと、なんということかしら70数万であるという。
実売も結構なものだろうが、納期が一ヶ月だとか。受注生産なのだ。
今使っているビデオ・ボードも違うものにしなければならない。
液晶モニターは薄くて結構なのだが、こと写真を眺めるにはまだ今ひとつのところがあるようで、この辺りはポジ・フィルムとデジタル一眼の画質の差にも似ている。
デジタルも結構で、私も多用しているが、最後の一枚となるとポジにはかなわない。
メーカーはメーカーの都合で動くものである。売れなければ仕方がないと考える。
結局私は、過去の遺産を継承することにした。
ディーラーに残っていた最後のW124、280辺りを選んだ、みたいなところだろうか。
次のメインCRTの代替の時には、液晶のプロ用も妥当な値段に落ち着いているだろう。
■ アトリエつうか仕事場を暗くして、モニターのキャリブレーションを取る。
それ専用のソフトがあるのだ。二度ほどくりかえし、くたびれたので別の日にチューンすることにした。
CMや商品撮影などをされるカメラマンの方が使うものは、デジカメからモニター、試しに出すインクジェット・プリンタ、それからCMYKまでをトータルで管理するソフトもあるのだが、フルセットで小型車一台分くらいである。
それが必要な仕事も確かにあるが、成程、写真というのも装置産業に近い部分があるのかも知れない。
色の管理については、ここ数年でかなり進歩している。
例えばAcrobat 4.0 が出た頃、ICCのプロファイルがどうしたこうしたと、色の管理に詳しい方とあれこれをしていたことを思い出す。その後、安酒を飲みにいった。
高田の馬場辺りで、口角泡を飛ばして議論していたこともあった。