沖縄の彼。
■ 二日酔いとはつらいものだが、後遺症のない酒も女もいない。
私は暫く高校生を観察していた。
近くに団子屋があり、しまいにひとつ買ってきてやろうかという気になった頃、ようやく店が空く。
ここは必ずしも出勤前のプロの方々が集うところではなく、どちらかといえば近辺にお住まいのご婦人やお嬢さんがこられるところなのだろう。
半分眠りながら、私は髪を切ってもらった。
■ 肩をもむサービスがあって、この店で何度か筋を違えたが、本日の彼はゆるやかである。彼は沖縄の出身で、こんど美容師の試験があるのだという。
通信だと三年で取れるんです。
筆記があるんです。
誰でもとれんだよ、筆記は。と、チーフが声をかける。
でもさ、原付だって落ちるじゃんか、と私。
あ、オレ落ちた、とチーフ。
沖縄の彼は、この夏休みがなかったと言った。
友人二人と住んでいるのだという。
ガッコは大井町で、可愛い子いるのかと尋ねると、まあまあですと答えた。