浮浪者の溜まり場。
 
 
 
■ という歌が、確かディランだったかバンドにあって、当時私は、そのような資料を暇があれば集めていた。
 多分「夜の魚」の三部に、浮浪者が出てきたからだろう。
 今、ここで公開しているのは二部までだが、実は未完になっている三部・南春 という作品があって、こんどはバイクに乗った少年のような女子高校生が出てくる。
 彼女は川崎の工場地帯に一人暮らしをしていて、主人公の零細コピーライターのドアを叩くのだ。
 
 
 
■ さておき、前の緑坂でいう97年の秋というものが今は思い出せないでいる。
 その時に何があったのか、当時の緑坂や、青瓶を捜せば出てくるのだろうか。
 そんなことはあるまい。
 つまり、社会が決定的に二極分化し、中産階級はぼろぼろと崩れてゆく。
 その中であがきながら、次の道を模索しようとする姿勢が、ここで「麻雀放浪記」を取り上げさせたのだと言えば教科書的である。