どうすればそれがかなうの 4.
 
 
 
■ 90年代後半、私はこのままゆくと社会は相当なことになるだろうか、という予感を抱いていた。漠然とした閉塞感と、足元が壊れるかのような構造的な崩壊。
 徹夜明けで〆切を送る宅急便を出しにゆくと、坂道には船井総研の本が山済みになっていて、都の収集を待っている。
 この辺りの誰かが一心に勉強したのだと分かった。
 
 
 
■ ある種、第二の敗戦なのだというひともいた。
 確かにそれはそれで、戦後と等しく、声の大きな人たちが、次はこれが流行るのだと言い始めてもいた。
 ITの世界では、これを知らないとモグリだとか囁かれ、各種のセミナーには知った顔が並び、いつの間にか取締役に就任して二年後には辞めていた。