画像について。
 
 
 
■ 上海の画像を載せないのか、という質問をたびたびいただく。
 いつかは載せることもあるだろうが、それには時間がかかるよ。
 と答えることが数回続いた。
 私は写真家なので、公開する画像については一定の基準のようなものがあり、暫定的にという訳にはゆかないでいる。というのが一応の建前であろうか。
 
 
 
■ この緑坂ブログは、MTというツールを使ってはいるものの、半ば双方向性を無視した形で推移している。一日三桁の方々が、単にテキストを眺めにくる。
 写真画像も、今まで使ったことはなかった。
 ま、そうは言ってもなあという按配で、今回かつて「夜の魚」PDFを作成した時のキャプチャーを掲載してみた。
 PDFは、アクロバットが3.0の頃、まだ今のように電子書籍の定番になる以前のバージョンで作成している。モリサワやヒラギノがオープンタイプに対応する随分手前、そのためMS明朝を使ったレイアウトになっていた。
 使うソフトはDTPの一方の定番であったもの。その6.5である。
 PDFを作るに、当時これが一番精度が高かったのである。
 ただこれでデザインを施すには、かなりの制約があった。
 
 
 
■ 制作は97年くらいだったと記憶している。かれこれ10年近く前だが、ITの世界でこの年月は数世紀に近いものがある、と言ったら技術に偏りすぎているだろうか。
 本作は98年の「日経デザイン」に掲載されている。
 
 何処だったろうか、タイプEの朱色が雨に濡れて停まっていた。
 私はMF(マニュアルフォーカス)のカメラで近寄って写す。
 夜であるから50ミリ、F1.4を使っていた筈だ。ネガフォルムである。
 デジカメなどというものは、40万画素で7?8万円ほどして、しかも大型の双眼鏡ほどの大きさがあった。