チャイナ服について 2.
 
 
 
■ 土砂降りの上海で、男たちはクラブというかカラオケというか、いわゆるそういう社交場に通った。旧租界地帯にある。
 女のレベルで言うと、銀座の七丁目裏。
 悪くもないが、世間で夢想するほど美人は少ないものだ。という按配である。
 仕事柄、その筋のひとたちを見ているせいかも知れないが、ただ、それにしても蒲田から六郷界隈とは明白に異なっている。
 上海のその店のホステスは、昼間日本語学校に通っているという。
 その方が金になるからだが、英会話でないところが歴史の経緯である。
 彼女達の多くは、いわゆるスリットの入ったチャイナ服を着ていた。尋ねると、その下には下着を履いているそうだ。
 綿か、と聞くと、曖昧にそうだと答えた。
 
 
 
■ 私は、狐顔をしたひとりの妙齢の中国服の切れ込みに指を入れてみた。
 彼女は真剣に怒るのだが、指の先がそのまま僅かに沈んでもゆく。
 成程そういうことであるのだな、と思いながら、彼女は二十代の終わりである。
 今、数日に一回、文字化けをして読めないメールが届く。