チャイナ服について。
 
 
 
■ この辺りにくると、ほぼ日活映画である。
 ないしは、チョウ・ユンファ主演の、明白B級ハードボイルドの世界でもある。
 95年当時、私はこの作品を楽しみながら書いていた。
 今再掲するために久しぶりに読み返しながら、ま、それもいいんでないスか、と呆れながら案外である。
 本来であれば、この1/3も削ってゆくのが密度としては筋なのだが、ぎりぎり削ることは「夜の魚」一部でやっているので、このままにしておく。
 
 
 
■ 谷口ジロー&関川夏央。
 名コンビのデビュー作は「リンド 3!」という劇画であった。
 谷口さんって絵が下手だったんだなあ、と思いながら壊れかけたソファの上で読み返していた。
 その作品は、70年代後半のユキバのない大卒自由業者の魂の彷徨が荒々しく出ていて、ほほえましくも面白い。
 関川さんも案外にガンマニアで、まあ、単車の本なんかを出していたんだからその筋では正常進化なのだが。ユーモアの味が滲み出てくるのは、誰にとっても暫く経ってである。
 ちなみに「夜の魚 外灘」 vol.86 の中にあるボサノバの歌詞は、私が酔っ払いながら適当に作った。あの頃はスコッチがまだ高く、ノエリィとジンだったと思う。